無名戦士たちの誇り 2011 8 21

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著者 麻生 幾  新潮社

「一将功成って万骨枯る」 曹松詩「己亥歳」(唐の末期)
 文民統制がある現代においては、
「将」とは、政治家を意味しています。
 現代においては、最高位の将官でも、
理不尽な命令だと思っても、
政治家の命令に従わざるを得ないでしょう。
 しかし、政治家は、正しく自衛隊を指揮できません。
それは、なぜか。
軍事とは、政治家の必修科目なのに、
日本の政治家は、誰も軍事を勉強していないからです。
これでは、文民統制は、事実上、成り立たない。
 歴史の教科書には、
政治家が国を造り、国を守ったと書いてありますが、
本当は、無名戦士たちが国を造り、国を守ったのです。
 通信手段が発達した現代においても、
こうした戦士たちの活躍は報道されず、
だからこそ「無名」のままであり続ける。
 東日本大震災に際して、
彼らの苦労は、いや彼らの名誉は、
誰にも知られることなく、歴史の彼方に消えていく。
 私は、この本が広まることによって、
多くの国民が、無名戦士たちの血と涙を知ってほしいと祈ります。
 それにしても思うことは、
東京電力は、組織として体を成していないことです。
よく言えば、自由人の集まり、悪く言えば、烏合の衆でしょうか。
 とてつもなく高い放射線量にもかかわらず、
「命を捨てる覚悟がある」と決意した自衛隊員に対して、
東京電力は、「単なる協力企業のひとつ」という認識だったのでしょう。
そういう認識が、現場の作業の危険度をさらに高めたと言えます。
 さらに、政治家の混乱。
これも、現場の危険度をさらに高めたでしょう。
政局に絡む話なので、具体的な名前は伏せます。
(注)
「一将功成って万骨枯る」 曹松詩「己亥歳」(唐の末期)
(意味)一人の将軍が手柄を立てるときには、
無数の人々の生命が犠牲になっている。
 詩の題名の「己亥の歳」は879年で、唐の末期にあたる。
黄巣の反乱軍のために戦闘が絶えない時代であった。
「中国名言便覧」 大島晃(編) 三省堂




























































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